背骨が曲がってる?
2021年12月17日
京都市中京区四条大宮 藤枝整骨院です。
皆さんは姿勢を意識する時に、『背骨を真っ直ぐにしないといけない』と思った事はありませんか?
『真っ直ぐ』というと響きは良いのですが、背骨はある程度曲がっている状態が自然なので無理をして真っ直ぐにしようとすると逆にしんどいかもしれません。
というわけで、今日は背骨の形状についてお話をしていこうと思います。
〜背骨の形状について〜
※上の図は頭部から仙骨(骨盤の中央部分)を右側面から見た図です。
まず、頭から骨盤までの背骨を全体的に見てみましょう。
オレンジ色の部分は背骨のラインに沿って書いているのですが真っ直ぐではなく、前後にカーブしているのが解りますよね?
背骨が真っ直ぐだと思っていた方からすると意外かもしれませんが、このカーブは人間が二足歩行に進化する過程でできたものだと考えられています。
背骨が湾曲(カーブ)している箇所が3カ所あるのですが、これらの湾曲のがあることにより背骨が真っ直ぐな状態でいるよりも長軸方向に加わる(頭から足に向かってかかるような)圧力に対して約10倍の抵抗力が備わるそうです。
では湾曲する部分をそれぞれ見てみましょう。
第1〜第7頸椎(C1〜C7)
上の図の青い部分は頸椎(ケイツイ)と呼び、。この部分は前弯しています。
頸椎は全部で7個あり、第3頚椎以下はほぼ同じ形をしているのですが、第1頸椎と第2頸椎は特殊な形をしていて環軸関節(カンジクカンセツ)と呼ばれ頭部を左右に回す動き(横を向くような動き)の大部分を担っています。
次は頸椎のすぐ下の部分を見てみましょう。
第1〜第12胸椎(Th1〜Th12)
上の図の青い部分を胸椎(キョウツイ)と呼び、この部分は後弯しています。
胸椎は全部で12個あり、それぞれ肋骨と関節を形成していて第1〜第10肋骨は肋軟骨を介して前方の胸骨と連結し胸郭(キョウカク)と呼ばれる部分を形成し、肺や心臓などの臓器の保護の役割をしています。
深呼吸をすると肺が膨らむので胸郭の部分も膨らみます。
今度は胸椎の下の部分を見てみましょう。
第1〜第5腰椎(L1〜L5)
上の図の青い部分は腰椎(ヨウツイ)と呼び、この部分は前弯しています。
腰椎は全部で5個あり脊椎の中では最も大きく、脊椎の運動に関しても頸椎に次ぐ可動を可能にしています。
頸椎、胸椎、腰椎とそれぞれ前弯もしくは後弯しているのですが、体のどの部分から胸椎だったり腰椎なのか自分では解りにくい方もいると思います。
実は、脊椎には体表から見つけやすい部分があるので今度はそちらも見てみましょう!
目安となる背骨の位置
上の図の青い部分はそれぞれ体表から見つけやすい部分となっている脊椎で、上から順番に第7頸椎、第3胸椎、第7胸椎、第12胸椎、第4腰椎となっています。
第7頸椎(隆椎)
※上の図は頭部〜骨盤を後ろから見た図です。
上の図の青い部分は第7頸椎で、第7頸椎の棘突起と呼ばれる部分は最も大きく、別名で隆椎(リュウツイ)とよばれる事もあります。
頭部から下にむかって首の後部を触っていくと触れる大きな骨の隆起の部分です。
首を前屈している状態では頸椎で一番後方に突出している状態になりやすい部分なので場所が解りにくい方は頭部を前屈させて触ってみると解りやすいと思います。
第3胸椎
上の図の青い部分は第3胸椎で、安静時での左右の肩甲棘(ケンコウキョク)と呼ばれる部分の内側をつなげた線上で触る事ができます。
※肩甲棘は肩甲骨上にある部分で上の図の矢印の部分です。
第7胸椎
上の図の青い部分は第7胸椎です。
安静時での左右の肩甲骨の下角(肩甲骨の一番下の部分)をつなげた線上に触る事ができます。
第12胸椎
上の図の青い部分は第12胸椎です。
第12肋骨が目印となるのですが、第11肋骨と第12肋骨は前方まで伸びていない骨で、体の背部もしくは側面から触る事ができます。
腰椎以下は通常、肋骨がないので背部で一番下に肋骨を触る事ができる部分というのが目安となります。
第4腰椎
上の図の青い部分は第4腰椎です。
左右の骨盤の腸骨陵(チョウコツリョウ)にあるヤコビー線と呼ばれる部分をつなげた線上にあります。
※上の図は肋骨〜骨盤の部分を右側面から見た図です。
黄色い線が腸骨陵でオレンジ色の線がヤコビー線です。
両手を腰に当ててみると触りやすいと思います。
以上が体表から見つけやすい脊椎の部分です。
長時間のデスクワークや立ち仕事ではどうしても姿勢は崩れがちになってしまうと思います。
頸椎=前弯、胸椎=後弯、腰椎=前弯とそれぞれ分かれているので、姿勢を正す時におおよその位置を解っておくのも良いかもしれませんね。